

心療内科でよくある相談内容
Q2. 教師・先生のメンタルヘルス
Q3. 公務員のメンタルヘルス
Q4. 長時間労働に伴うメンタルヘルス
Q5. リストラに伴うメンタルヘルス
Q6. 退職に伴うメンタルヘルス
Q7. 親子関係に伴うメンタルヘルス
Q8. 友人恋人関係に伴うメンタルヘルス
Q9. 過食嘔吐、ダイエットに伴うメンタルヘルス
Q10. 依存症に伴うメンタルヘルス
Q11. 多量飲酒に伴うメンタルヘルス
Q12. 発達障害に伴うメンタルヘルス
Q13. 攻撃性、衝動性に伴うメンタルヘルス
Q14. 老年期に伴うメンタルヘルス
Q15. 経済苦に伴うメンタルヘルス
Q16. ワクチン接種後に伴うメンタルヘルス
Q17. 日本の将来不安に伴うメンタルヘルス
Q1. エンジニアのメンタルヘルス

未経験からのエンジニアの増加にともなって、エンジニアのメンタルヘルス相談が非常に増えています。
A:
エンジニアのメンタルヘルスの大きな原因は、
上司同僚関係、長時間労働、在宅勤務によってリズムが狂う、
プライベートと仕事の区別がない、仕事に対する適正不足等です。
当院長も過去にエンジニアをしていたときがあり、
C/C++、Java、HTML/CSS等で開発業務をしていました。
納期にせまられながら、上司とのミーティング、無言の圧力、
自宅での自己学習など、しんどさがよくわかります。
状態に応じて休職をとり、職場や部署変更の検討、職種を変えることを考えましょう。
薬物療法も良い適応になります。背景に発達障害傾向がある場合もありますが、
多くの場合は臨床基準を満たさないことが多くグレーゾーン扱いになります。
Q2. 教師・先生のメンタルヘルス

教師・先生の減少、部活や生徒指導の負担の増加、モンスターペアレントの増加にともなって
教師・先生のメンタルヘルス相談も非常に増えています。
A:クラスには、発達障害をもつ子供や、
対応が難しい子供・親御さんが1人はいるといっても過言ではありません。
校長・教頭先生が頼りにならないケースも多々あり、
あまりにも大きな負担が教員・先生の肩にのしかかっています。
うつ症状が重ければ休職を促すとともに(多くは年度末までの休職になります)、
クラス異動、学校異動まで検討することが多いです。
薬物療法も良い適応になります。ただし異動した先の環境が悪ければ長引くケースも考えられます。
Q3. 公務員のメンタルヘルス

失敗の許されない風潮、ハラスメントの多様化にともなって、
公務員の方からのメンタルヘルス相談も非常に増えています。
A:日本は失われた30年どころか、さらに低迷する様相を見せています。
上がらない賃金と、増加する仕事負担。政治家の腐敗とあいまって、国民からのバッシングも大きいでしょう。
また上司からのパワハラも相談が絶えません。
当院長も過去に公務員をしていたことがあり、事業所指導のときは、事業主からは「税金で食ってるくせに」と罵倒を浴びせられたり
相談者からは「頼りにならない」と叱責されたり辛かったことを覚えています。
うつ症状が重ければ休職を促すとともに、部署異動、職場移動まで検討することが多いです。
Q4. 長時間労働に伴うメンタルヘルス

日本において全体的に所定労働は減っているといわれますが、
所定外労働時間は横ばい~増加傾向です。
A:日本において、業種にもよりますが長時間労働は常態化していると言えます。
事業場でも様々なとりくみによって、非管理者の残業時間は抑制傾向といえますが、管理者の残業時間はむしろ増えていると言ってよいでしょう
長時間労働は、心身のリスクが増加することは周知の事実であり、睡眠時間や日中の眠気、倦怠感が生じていれば早急に休養を取る必要があります。
Q5. リストラに伴うメンタルヘルス

企業側の再編成や効率化によって「黒字リストラ」が進む中、
職場での不安が広がり、メンタルヘルスの問題を悪化させる要因となっています。
A:リストラにより失業した人、その対象になった人はキャリアや生活基盤の喪失から大きなストレスを感じ、
うつ病や不安障害の発症につながることが多いです。新型コロナウィルスのパンデックをきっかに、特に中高年層のリストラが増加しており、
それに比例してうつ病を発症するケースも増加しているとされています。
多くの場合は薬物療法が適応になる他、休養が必要です。キャリアへの影響を心配する人もいますが、精神状態の改善を第一に考えましょう。
リストラに合うことはとても辛いことですが、長い目でみて何がベターなのかを考える必要があるでしょう。
Q6. 退職に伴うメンタルヘルス

退職後は、ライフスタイルの変化に伴い、心理的なストレスや孤独感、
アイデンティティの喪失など、さまざまなメンタルヘルスの問題が生じることがあります。
A:特に長年働いてきた人にとっては、急激に日常生活のリズムが変わることで不安や抑うつ状態が引き起こされる
ことも少なくありません。また、社会とのつながりが薄れたと感じることで、孤立感が増し、それがさらに精神的な負担を大きくすることもあります。
退職後のメンタルヘルスケアでは、日常生活のリズムを維持する、社会的なつながりを保つ、新しい目標やチャレンジを見つけるなどのことが推奨されます。
退職後に感じる心理的な負担が大きい場合、カウンセリングや専門家への相談が支えになるでしょう。症状によっては薬物療法も適応になるでしょう。
Q7. 親子関係に伴うメンタルヘルス

機能不全家族、家庭内不和等の問題が背景にあり、共依存的になり、
特定の家族に負担がおしやられているケースが散見されます。
A:親子関係に伴うメンタルヘルス問題の背景には、多くの場合「共依存」が存在します。
家族と一定の距離をとったほうがよいとわかりつつも、巻き込まれた状態のままでいるのです。
入院や転居等により一定の物理的距離をとりましょう。本人に気分障害が伴っていれば薬物療法もよい適応になります。
Q8. 友人恋人関係に伴うメンタルヘルス

価値観が多様化した昨今、友人恋人関係のメンタルヘルス相談も増えています。
A:友人恋人関係に伴うメンタルヘルス問題の背景には、過剰なグローバリズム、うわべの付き合い、愛着の不安定さが存在します。
自分と他人を比較して卑屈になったり、必要以上に自分をさげすんだり、他人をうらやんだり。
これは過剰な通信手段の発達、うわべだけのコミュニケーションの拡大と無縁ではありません。まずは心理療法が望まれますが、薬物療法も必要になることがあります。
Q9. 過食嘔吐、ダイエットに伴うメンタルヘルス

過剰なダイエットブーム、多様な過食嘔吐の手段によりダイエット関係のメンタルヘルス相談も増えています。
A:氾濫するダイエット薬、ストレス発散の手段としての過食嘔吐、過剰な痩せ願望、
歪んだボディイメージ等の背景には、自己肯定感の低さがあり、過食嘔吐は不適切な自己治療としての一面もあります。
拒食症の場合は定期的な採血が必要であり、入院が必要なこともあります。そのため専門病院を紹介することもあります。
Q10. 依存症に伴うメンタルヘルス

アルコール依存、ギャンブル依存、スマホ依存、買い物依存、性依存、様々な依存症が増えています。
A:依存症の治療は「依存対象から離れること」「依存対象から離れ続けること」です。
本人がアルコール、ギャンブル、スマホ等をやめたいと思うことが必要です。依存症はコントロール障害である
ことを自覚するとともに、一定程度の制限を設けることも必要です。
生活障害の程度にもよりますが、治療も困難を極め、入院が必要なることもあります。
迷わずに依存症専門病院へ受診しましょう。
Q11. 多量飲酒に伴うメンタルヘルス

世界的にアルコール摂取量が増えており、それに伴い酒害も増加しています。
A:多量飲酒は世界的に増加傾向にあります。特に1990年から2017年にかけて、世界全体で消費される
アルコール量が約70%増加しました。この増加は主に人口が多い国や、新興経済国での飲酒量の増加によるものです。一方で
COVID-19パンデミック中も多量飲酒やそれに関連する死亡が劇的に増加しました。
さらに、パンデミックの影響でストレスや不安の高まりから依存的な飲酒習慣が強化され、多くの人が健康上のリスクに
さらされました。多量の飲酒は一時的に気分を紛らわせる効果があるものの、長期的には不安や抑うつを悪化させる可能性
があります。飲酒がコントロールできなくなると、依存症や対人関係の問題、仕事や日常生活への悪影響を引き起こします。
精神的な苦痛を和らげるために飲酒をしている場合、根本的なストレスや不安の原因に対処するための治療が必要です。
生活障害の程度にもよりますが、治療も困難を極め、入院が必要なることもあります。
迷わずにアルコール依存症専門病院へ受診しましょう。
Q12. 発達障害に伴うメンタルヘルス

大人の発達障害の評価は難しいことが多いです。
A:発達障害の診断をしてほしいという相談が多くありますが、大人になってからの診断は容易ではありません。
発達障害は過剰診断が非常に多いからです。いわゆるグレーゾーンであり、臨床診断まで付かないことが多いです。
そのことに納得がいかず不満になる方もいます。迷わず専門病院へ受診しましょう。
(当院ではコンサータは処方できません)
Q13. 攻撃性、衝動性に伴うメンタルヘルス

双極性障害、発達障害、認知症等が背景にある場合は薬物療法が必須です。
A:多くの場合、気分安定化薬が良い適応であり、血液検査が必須です。 ごく少量であれば当院で処方可能ですが、(当院では血液検査を行ってないため)専門病院を紹介することもあります。
Q14. 老年期に伴うメンタルヘルス

老年期になると、身体的な健康状態や社会的な役割の変化に伴い、
メンタルヘルスへの影響が大きくなることがあります。
A:特に、身体機能の低下や友人・家族との別れ、退職後の社会的役割の喪失などが、精神的な不安や孤独感、
抑うつ症状を引き起こす要因となりえます。老年期のメンタルヘルスを保つポイントは、友人や家族との交流を積極的にもつことが、
孤独感を和らげ、心の健康を保つために非常に重要です。地域のコミュニティや趣味の活動に参加することも推奨されます。
その他にも、適度な身体活動、認知機能の維持、生活の目的を見つけるなど、老年期は多くの変化が伴う時期ですが、適切な対策を講じることで
充実した老後を送るためのメンタルヘルスを維持することができます。
ごく少量の薬物療法が功を奏することもありますが、不十分な場合は、老年期精神科等の専門機関への相談が必要になることもあります。
Q15. 経済苦に伴うメンタルヘルス

社会福祉利用が一番です。
A:まれに住む場所がない、身分証明書がない、受診費用がないにもかかわらず受診する人がいます。 医療機関では対応困難なことも多く、市役所や社会福祉事務所へ相談しましょう。とはいえ直接社会福祉事務所に相談すると 追い返されてしまう可能性もあるので、まずは生活支援団体に相談するほうが良いかもしれません。
Q16. ワクチン接種後に伴うメンタルヘルス

COVID-19パンデミック以降、ワクチン接種後に伴うメンタル不調が散見されます。
A:ワクチン接種は、多くの人に安心感をもたらす一方で、不安やストレスを感じる要因になっています。
特に「mRNAワクチン」に対する、不安や恐怖、副作用への心配、実際の副作用による身体的、神経的な不調を訴える人が散見されます。
ワクチン接種後の精神不調は、ワクチン接種との因果関係を評価することが難しく、精神科で対応することが困難な場合があります。
当院においてもワクチン接種後に生じたメンタルヘルス不調は対応が難しく、専門機関へ相談することを推奨しています。
Q17. 日本の将来不安に伴うメンタルヘルス

日本の現状をありのままに認識しましょう。日本は経済植民地です。
A:上がらない実質賃金、国民生活を無視した増税、国民経済を貶める政策が1990年代以降続けられてきました。
非正規雇用が構造的に増やされ、その結果非婚化が増え、結果日本のGDPは先進国で世界3位、一人当たりのGDPは32位に転げ落ち、
OECD加盟先進国では相対的貧困が第4位、G7では最も貧困率が高い国にまでになってしまいました。
失われた30年は、今のままでは失われた40年になろうとしています。教育においても
自虐史観を植え付けられ、リベラル思想のみを刷り込まれ、ネオリベラリズム・新自由主義・過剰な自己責任社会を礼賛する社会になってしまいました。
現代のメンタル不調の根源はここにあるといって過言ではありません。そこへ先人達の積み上げた文化伝統を外国に切り売りする政府要人。
国民が本当の歴史を学び、目覚めるしか方法はありません。必要なことは共同体意識の再認識です。
正直、絶望的な状況です。しかし絶望的な状況を受け入れてからこそ、真の歩みが始まるのです。